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素人のおっさんが 小熊英二「<日本人>の境界」を読んでみた。概要と 第1章琉球処分編の感想

2023年8月4日  2023年8月6日 

とある出会いがきっかけで

  小熊英二 著「〈日本人〉の境界」を読んでます。

版年月日は1998年7月10日
私が中古で手に入れたこの本は初版 1刷本のようです


小熊 英二 著「〈日本人〉の境界」

内容

〈日本人〉とは何か。沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮という,近代日本が時に日本人とし時に非日本人としてきた人々をめぐる政策と言説の揺らぎを詳細

 

目次

「<日本人>の境界」で、今のところ当blogで扱う予定の章のみ抜粋します
読み進めて関連性がかなり強いと思われる章は追加する場合があります



第1章 琉球処分―「日本人」への編入
「国内に人類」への統合と排除/外国人顧問の提言/「日本人」としての琉球人/歴史をめぐる争い

第2章 沖縄教育と「日本人」化―同化教育の論理
旧慣維持と忠誠心育成/「文明化」と「日本化」/歴史観の改造

第12章 沖縄ナショナリズムの創造―伊波晋猷と沖縄学
沖縄にとっての同化/二重のマイノリティ/防壁としての同祖論/沖縄ナショナリズムと同祖/排除と同かの連鎖/啓蒙知識人として/挫折した沖縄ナショナリズム

第15章 オリエンタリズムの屈折―柳宗悦と沖縄言語論争
オリエンタリズムとしての「民芸」/沖縄側の猛反発/「西洋人」としての方言擁護/「日本人」の強調/沖縄同化の最終段階

第18章 境界上の島々―「外国」になった沖縄
「少数民族」としての沖縄人/「琉球総督府」の誕生/「アメリカ人」からの排除/「日本人」であって「日本人」でない存在

第19章 独立論から復帰論へ―敗戦直後の沖縄帰属論争
沖縄独立論とアメリカ観/保守系運動としての復帰/帰属論議の急浮上/揺らぎの中の帰属論

第20章 「祖国日本」の意味―一九五〇年代の復帰運動
人権の代名詞としての「日本人」/親米反共を掲げた復帰運動/日本ナショナリズムの言葉

第21章 革新ナショナリズムの思想―戦後知識人の「日本人」像と沖縄
「アジアの植民地」としての日本/「健全なナショナリズムの臨界」/単一民族史観の台頭/「植民地支配」から「民族統一」へ/民族統一としての琉球処分/非難用語となった「琉球独立論」

第22章 一九六〇年代の方言札―戦後沖縄教育と復帰運動
復興活動としての復帰/方言札の復活/「日の丸」「君が代」の奨励/憧れと拒絶の同居/「祖国は日本か」/政治変動と転換と
第23章 反復帰―一九七二年復帰と反復帰論
琉球独立論の系譜/復帰の現実化/「仮面」への嫌悪/独立論との距離/「否」の思想


感想を書く前に

ざ~っと1章を読みました
有る事象について「~はこう言っている」「~と書いている」 という流れで進んでいるわけでして、 その「~はこう言っている」の内容の正誤に、あまり触れていない。
「〇〇はこう言っている」という事実を書いているだけ(注釈で引用元を示したり、詳細に説明している場面もあり)
「〇〇はこう言っている」=「〇〇はこう考えていた」 なんだろうから
小熊英二氏 それが正しいとは言っていないが、それは正しい前提で引用したのだろ
もしくは 大きな流れの中で一つの発言の正誤は些細な事なのかもしれない?
まぁ
小熊英二氏の思うストリーに沿って資料を並べているような気がする
(本とはそういうものだろうけど 笑)
もうひとつ この本が書かれたのは1998年で その後 かれこれ25年ほど過ぎていて、新事実が発見されたり、歴史的常識が変わったり、色々あるので(私の知る限りで)そのあたりも見ていきたい

では、沖縄のおっさん(素人)が 小熊英二 著「〈日本人〉の境界」の感想を書いてみます。

注意
章単位で感想を書くと 各章の繋がりや全体の流れを無視してしまう事があります
章を読み進めていき関連する内容があれば 随時追記します。
読了後 まとめて感想を書きます。

第1章 琉球処分―「日本人」への編入

P18
 ”琉球王国というこの国は、七年後に沖縄県と改名され...”

本書は、おもしろ歴史本の類ではないと思っているが、、
いきなりの「琉球王国」の表記

清も日本も 琉球国と呼んでいて 琉球国自身も「琉球国」としていたはずだが、、 どこから この「琉球王国」がでてきたのだろうか?

p18に 王国の定義について書かれていて
要は「中国皇帝に朝貢し従属しているがある程度限定された自治を保っている国
となっている

そうなると
李氏朝鮮王国とか朝鮮王国 あるいは 高麗王国など
本を読み進めていくと そのような表記がでてくるのだろう、たぶん。 
そうでない なら 琉球だけを琉球王国とする理由が知りたいものである。
残念ながら 琉球王国の部分で注釈は無い
些細な事かも知れないが気になるところです。



p32
” 琉球では確かに平仮名類似の文字が一部で使用されているが、
それが用いられているのは日本相手の文章だけで.... ”

多くの沖縄県民は即座に「おもろそうし」を思い浮かべるだろう
おもろさうし とは
『おもろさうし』は、琉球国尚清王(第二尚氏第4代)時代の嘉靖10年(1531年)から尚豊王代の天啓3年(1623年)にかけて首里王府によって編纂された歌集。歌を意味する「おもろ」は「思い」と同源の語で、そのルーツは祭祀における祝詞だったと考えられており、「そうし」を漢字表記すれば「草紙」となる。全22巻。

形態
主にひらがなで書かれ、わずかだが漢字も混じる。短いものは2行から、長いものは40行に及ぶ韻文で、盛んに対句を用いており、これら祝詞(うむい)は琉歌の源流と考えられている。また、今では使われていない琉球古語が多く含まれている。
引用wiki より一部抜粋

歌集は平仮名表記なんですよね
古琉球時代につくられた橋の欄干(石碑)にも表裏で「漢文」と「ひらがな」が使われています。
特に日本向けではないですよね?

ここでも 「~がこう言っている」とあるがその真偽には触れていない。

ちなみに、琉球から中国への外交文書は全て漢文が使われていましたが、当時東アジア最強の清・明の求める公式文書が漢文なので 琉球であろうと日本であろうと漢文で書いてました。

とりあえず 1章を読み終えた

琉球処分に反対する士族のみを取り上げているが、士族の間でも賛否が分かれていた。
琉球士族はそれに関連する政治的問題に対し、大きく分けると2つの派閥に分かれていた

反日親清:頑固党(亀川党、黒党):上級士族
親日:開化党(白党):主に下級士族
ですね

小熊英二氏は 反対派の上級士族目線でしか語っていない。
琉球処分に賛成・容認派の士族らと明治政府の関わりなどについて書いていあればより正確であった気がする。

続いて
第2章 沖縄教育と「日本人」化―同化教育の論理 の感想を書きます
でもなんだか 内容が想像できそうだ。。
----------***----



後で 追記する予定
p25


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